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2007季刊第3号



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 □2008年入試に向けて 「学習のポイント」
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  三大模試「日能研:中学入試センター模試」「四谷大塚:合不合判定テスト」
  「首都圏模試センター:統一合判」の9月度が終了した。偏差値や合格可能性
  を見て一喜一憂するのでなく、出題内容をよく考え今後につながる学習をする
  ことが大切である。2007年入試の傾向を考え、2008年入試に向けて重要な内容
  を簡単に取り上げる。各模試でも出題されると思われるので、模試の復習や問
  題練習の際に参考にしてほしい。


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 【国語】 
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  国語は学力の基本である。国語力の低下が指摘される中で、言葉を正しく理解
  していること、言葉で表現されたものから適切に読み取る力を診る出題が増え
  ている。

  @知識問題

   漢字・語句問題では、(1)日常よく使われてきたが、最近の子どもには馴染
   みがないと思われる表現、(2)間違った言い方がされやすい表現、(3)意味
   を間違えて使われる表現、には注意が必要である。

   (1)の例 

   「枚挙に遑(いとま)がない」

    =(例などが)たくさんあって数え切れないようす。

   「鎌(かま)をかける」

    =相手に本音を言わせるため相手をたくみに誘いかけること。など

   (2)の例 

    ○「的を射る」 ×「的を得る」

    ○「口は災いの門」 ×「口は災いのもと」 など

   (3)の例 

   「情けは人のためならず」

    =○ 情けは他人のためではなく、めぐりめぐっていずれは自分に返
       ってくるのであるから、誰にでも親切にしておくのが良い。

    =× 他人に情けをかけると、その人を甘やかすことになるのでよく
       ない。

   「気の置けない」

    =○ 気詰まりでない、気遣いしなくて良い

    =× 気を許してはいけない、信用できない など。

   また、全体として訓読み(送りがな)の出題も増えている。なお、文化審議
   会の答申による敬語の使い方の新分類「尊敬語、謙譲語、丁重語、丁寧語、
   美化語」についてはまだ取り上げられないと思われるが、言葉として知って
   おくのが良いだろう。以下は答申の内容「敬語の指針」である。
   http://www.bunka.go.jp/1kokugo/pdf/keigo_tousin.pdf


  A読解問題

   物語文、随筆文では、「人間力」を育てるという国語の役割から「生き方」
   を考える文章が増えている。戦争などに代表される経験したことのない状況
   の中で、人がどのように考え行動したか、を考えることが要求される。

   例 三浦哲郎『みちづれ』(浅野中)
     浅田次郎『青い火花』(麻布中)

   説明文、論説文では「言葉」「文化」「環境」などの文章が多く出される。
   さらに社会情勢を反映して「いじめ」「命の大切さ」あるいは「格差」「差
   別」などについて考えさせる文章を出題する学校も予想される。

   なお、作品としては重松清などの最近の作家のものに加えて、著作権の関係
   で芥川龍之介、宮澤賢治、志賀直哉などの古典的な有名作品が増えると思わ
   れる。


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 【算数】 
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  数年前に比べてかなり易しい問題が増えている。計算力や基礎知識を重視した
  問題が多い。また、途中式や解法の説明などを要求する学校が次第に増えつつ
  ある。

  @計算問題

   あまりを求める小数計算など、手間がかかるものが増えている。面倒くさい
   と思わずに丁寧にやりきることが要求される。暗算力を基にした正確な計算
   力が必要である。


  A数・数量問題

   数の問題では「分数を単位分数の和で表す」問題など、単純な数列以外の問
   題が多くの学校で出されている。魔方陣などのパズル型の問題などにも引き
   続き注意が必要である。

   速さの問題では「周期的な移動」の問題が多くなっている。よく出されてき
   たグラフの利用や速さと時間の比の利用も多い。

   割合・比の問題では大きな変化はない。濃度・利益などに代表される公式利
   用の基本問題、1つの量を基準に他の量を表して考える問題(マルイチ算な
   どと呼ばれる問題、倍数算など)などの応用問題も多く出される。

   
  B図形問題

   平面図形では移動が関係する問題に注意が必要である。回転移動、平行移動、
   図形の転がりなど、作図が関係するものも多くなる。

   立体図形では展開図やその作図が多く出されており、2008年も注意が必要。
   また、容積の問題や回転体の問題も従来どおり多く出される。


  C条件整理・試行錯誤の問題

   場合の数では条件のついた並べ方(順列)・選び方(組み合わせ)が多い。
   計算公式にそのまま当てはめることができないことが多く、樹形図や表も活
   用する問題が増える。

   規則性の問題も含めて、図形を題材に使ったものは難しいものが多いので注
   意が必要である。

   ただし、この種の問題は出されるかどうかが学校により大きく異なるので過
   去問を必ず参考にする。


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 【理科】
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  環境に関する問題は入試で確実に出される。その他に@〜Bの内容も加えてほ
  しい。

  @月に関する問題

   ポイント
 
   1.月食の原因を示す模式図

    地球の影に月が入ったという説明では不十分である。月食の原理を示した
    模式図(テキストに必ずある)を使って説明できるようにする。
        
   2.月食と日食との比較

    月食と日食は比較しながら学習しておくとよい。両者の違いもまとめて覚
    える。

   3.「かぐや」打ち上げと目的

    2007年9月、日本は月を周回する人工天体「かぐや」を打ち上げた。その
    目的については調べて簡単に説明できるようにする。簡単にまとめると、
    「月の起源と進化を解明すること」「将来月を利用するために必要なさま
    ざまな観測をすること」であるが、これだけでは不足になる学校も多い。

    以下は、「かぐや」プロジェクトを実施したJAXAの特設サイトである
    http://www.jaxa.jp/countdown/f13/index_j.html

   4.その他、月誕生の有力な説「ジャイアントインパクト」も大切である


  A地震に関する問題(社会科でも出題される場合もある)

   ポイント 

   1.日本海側で起こった地震の原因

    2007年には3月、7月と相次いで日本海側で大きな地震が起こった。太平
    洋側の地震(海溝型地震)とは発生のしくみが異なる。海溝型地震が発生
    するしくみ(プレート説)は良く取り上げられるが日本海側の地震のしく
    みはあまり取り上げられていないので調べる。また、ゆれの大きさ以上に
    倒れた家屋が多かった原因も調べておくとよい。

   2.柏崎刈羽原発の概要と被害

    東京電力が建てた、1か所にある原子力発電所としては世界最大の発電量
    を誇るもの。そのために、運転が止まったことで大きな影響を与えた。
         
    以下は、東京電力の柏崎刈羽原発のサイトである。
    http://www.tepco.co.jp/nu/kk-np/index-j.html

   3.その他、関連して近い将来に起こるとされる以下の3つの地震や関東大震
    災、阪神淡路大震災についてももう1度学習する。あわせて地震の備えも
    考えることも必要である。

    (1) 首都圏直下型地震

     関東地方に発生すると予想される直下型の大地震。地震の大きさを表す
     マグニチュードは7前後が予想されている。地震そのものの規模は小さ
     いが、人口密集地で、政治・経済・文化の中心である首都圏を襲うため
     大きな損害を与える。

    (2) 東海・東南海地震/南海地震

          東海地震は駿河湾内に位置する駿河トラフで周期的に発生する海溝型の
     地震。さらに西よりの地域を震源とする東南海地震も地質学上は一体の
     ものと考えられている。南海地震は紀伊半島の熊野灘沖から四国南方沖
     を震源とする海溝型の周期的な巨大地震。いずれも大津波を伴うと予想
     される。最近、3つの地震が連動して起こってきたことが各種の研究か
     ら明らかになってきた。マグニチュード8から8.5という規模が予想
     されるが、最悪の場合9を超え観測史上最大の地震となる恐れもある。
     関東・東海・中京・京阪神・瀬戸内という産業の中心地がすべて大きな
     損害を受けるために、救援物資の確保や輸送も難しい。


  B「酷暑の夏」に関する問題(社会科でも出題される場合もある)

   ポイント 

   1.酷暑・猛暑

    「酷暑」という言葉は専門的な言葉ではない。猛暑日(もうしょび:最高
    気温が35℃以上の日)が連続したために「酷暑」という表現が用いられた
    夏の暑さを表現する4つの言葉「夏日」「真夏日」「熱帯夜」「猛暑日」
    の意味の違いを覚える。

   2.観測史上最高気温の更新

    2007年には岐阜県多治見市と埼玉県熊谷市で40.9℃を観測し、1933年に山
    形市で記録した40.8℃を74年ぶりに更新。山形市の場合とは異なり「フェ
    ーン現象」によるものではなく、強い「太平洋高気圧」に覆われたことが
    原因である。
         
   3.2007年の酷暑の原因

    ラニーニャ現象の発生によってフィリピン近海の海水温が上昇するため、
    上昇気流が発生する。その結果、北に位置する日本付近では下降気流が発
    生する。これが勢力の強い太平洋高気圧になり、日本付近を長く覆ったと
    考えられている。

    以上については気象庁のサイトで調べるとよい。ここには地震の資料もあ
    る。
        http://www.jma.go.jp/jma/index.html


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 【社会】
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  理科同様に、環境に関する問題は入試で確実に出される。その他に@〜Bの内
  容も加えほしい。以下の内容は簡単にまとめたもの(重要語句ではない場合に
  は簡単な言葉にかえている)なので、学校よっては正確な用語が要求される場
  合があるので注意する。

  @参議院議員選挙で自民党大敗
 
      ポイント 

   1.大敗の理由

    (1) 「格差社会」の拡大

     小泉純一郎元首相の改革が都市部と農村部の経済格差を拡大させ、さら
     に企業の間での給与の差、正社員と非正社員の違いによる給与の差も拡
     大した。
 
    (2) 「年金問題」への対応

     将来の年金の支給へ不安が広がった状況の中で、納付記録が失われた年
     金が多数あるなど年金の管理がずさんであることが発覚した。安倍前首
     相はそれに対して国民が納得できる対策を採ることができなかった。

    (3) 「政治と金」の問題

     安倍前首相が任命した国務大臣(閣僚)に、国から支給されたお金の使
     い方や支持者・支持企業などから献金の記録などいわゆる「政治と金」
     の問題が発覚した。前首相が毅然とした対応をしなかったことで批判さ
     れた。

        (4) その他

     与党側が衆議院で絶対多数を占め、参議院でも過半数を占めていたため
     に、背景に国民の支持が少ない法律案でも強引に可決・成立されたとい
     う印象を与えた、など。

   2.国会でのねじれ現象による議決への影響

    (1) 内閣総理大臣の指名

     衆議院・参議院で異なり、両院協議会を開いても一致しない場合には衆
     議院の指名で決まる。→今まで同様に与党第1党の自由民主党総裁が内
     閣総理大臣に指名される。

    (2) 予算案の議決(条約の承認)

     衆議院で可決すれば参議院の議決がなくても30日で自然に成立する。→
     政府・与党は衆議院での審議を急ぎ、参議院での審議を長引かせること
     で予定通りに可決・成立させることはできる。しかし、現実には国民の
     不信を高めることになり、次の衆議院議員選挙でも大敗し政権交代につ
     ながるおそれがある。野党の考えも反映させた予算作りが行われる。

        (3) 法律案の議決

     衆議院で可決した法律案は参議院で否決されても、衆議院で3分の2以
     上の絶対多数で可決すれば成立する。→衆議院では与党が3分の2以上
     を占めているので、与党が法律案を成立させることは可能である。しか
     し、強引に可決すれば国民の不信を招く。また、野党は参議院で廃案に
     するために審議を遅らせることで対抗すると思われる。 


  A安倍晋三首相辞任、福田康夫新首相誕生

      ポイント 

   1.今回の内閣総理大臣の誕生までの手続き

    衆議院での指名選挙(自民党総裁福田康夫氏指名)
                  ↓
    参議院での指名選挙(民主党代表小沢一郎氏指名)
         ↓
    両院協議会(両議院が一致しない)
         ↓
    衆議院の優越から福田康夫氏が内閣総理大臣に指名
         ↓
    天皇が福田康夫氏を内閣総理大臣に任命

   2.新内閣の国務大臣の顔ぶれ

    (1) 総務大臣  兼 内閣府特命担当大臣(地方分権改革担当)
             :増田寛也<非国会議員>
    (2) 法務大臣   :鳩山邦夫
    (3) 外務大臣   :高村正彦
    (4) 財務大臣   :額賀福志郎
    (5) 文部科学大臣 :渡海紀三朗
    (6) 厚生労働大臣 :舛添要一
    (7) 農林水産大臣 :若林正俊
    (8) 経済産業大臣 :甘利 明
    (9) 国土交通大臣 :冬柴鐵三<公明党>
    (10)環境大臣   :鴨下一郎
    (11)防衛大臣   :石破 茂
    (12)内閣官房長官 :町村信孝
    (13)国家公安委員会委員長
                      兼 内閣府特命担当大臣(防災/食品安全担当)
             :泉 信也
    (14)内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策、規制改革、
                       国民生活、科学技術政策担当)
             :岸田文雄
    (15)内閣府特命担当大臣(金融担当)
             :渡辺喜美
    (16)内閣府特命担当大臣(経済財政政策担当)
             :大田弘子<非国会議員>
    (17)内閣府特命担当大臣(少子化対策、男女共同参画担当)
             :上川陽子

   3.前首相、新首相および対立候補・麻生太郎氏の祖父・父の業績

        いずれも首相経験者で、戦後日本の政治に大きく関わった。

    (1) 岸 信介(安倍前首相祖父)
            在任期間:1957年2月〜1960年7月
            日米安全保障(新)条約の調印・批准(1960年)
        (2) 福田赳夫(福田新首相父)
            在任期間:1976年12月〜1978年12月
            日中平和友好条約の調印(1978年)
    (3) 吉田 茂(麻生議員祖父)
            在任期間:1946年5月〜1947年5月
                 1948年10月〜1954年12月 
            サンフランシスコ平和条約の締結(1951年)
            日米安全保障条約の締結(1951年)

      
  B新国立公園誕生

   ポイント 

   1.西表石垣国立公園

    8月1日、西表国立公園の区域に沖縄県石垣島の一部を加えたために名称
    が西表石垣国立公園に変更された。新空港建設問題などで話題になった白
    保地区等が海中公園地区に指定され、海中公園の面積が日本の国立公園中
    で最大になった。
  
   2.尾瀬国立公園

    8月30日に日光国立公園内の尾瀬地域を分離し、範囲を周辺地域に大きく
    広げ尾瀬国立公園が新設された。釧路湿原国立公園以来20年ぶりの国立公
    園の新設である。なお、日光国立公園は1934年12月に指定されたもので、
    同年3月に指定された瀬戸内海国立公園などについで古い伝統を持つ。

    以下は参考となるサイトである

    環境省 自然環境・自然公園
    http://www.env.go.jp/nature/index.html
    国立公園協会
    http://www.npaj.or.jp/index.html        



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