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立教池袋中学校                                                  校長先生に聞く!Topへ 
Interview! 1999年6月24日(木)訪問
聞く!
今回の訪問校は立教中学校。
立教大学という難関私大の付属中学として人気の高い学校だ。これまでは高校は新座にある立教高校に進むという、やや変則的な中学・高校一貫体制をとっていた。
しかし、2000年(平成12年)からは、学校名も立教池袋中学校・高等学校と変わり、完全な中高一貫教育校として再スタートを切る。同時にスタートする立教新座中学校・高等学校とともに今後の展開が注目されている。
学校長中島博先生にインタビューした。

ほくしん教務統括 中山秋子

 
立教池袋
 
 







中島校長



































































 
「生徒のことを知り尽くして卒業させる学校を目指す」
(中山)
2000年から新しい体制がスタートする立教池袋中学校は、どのような考えから計画されたのですか。
(中島先生)
中学、高校の新体制は立教学院全体として、
「21世紀の教育はどうあるべきか」、
特に「立教が果たさなくてはならない教育使命とは何か」
とい うことを考えて改革を始めました。
その答えが池袋と新座に別々の中学校、高等学校をつくるということだったのです。
その改革の中で池袋中学・高校は小さく スリムな学校として、教師と生徒が密着した学校、生徒のことを知り尽くして卒業させる学校をにしようと考えています。
(中山)
池袋中学・高校と新座中学・高校では教育内容の面での大きな違いはでるのでしょうか。
(中島先生)
創立以来の
「キリスト教に基づく人格の形成を目的とする」
という教育の方針や理念は変わりません。
良い例えかどうか分かりませんが、慶應義塾はいくつかの中学や高等学校を持っていても基本の教育方針は変わらないように。
ただ、池袋と新座とでは学校の規模が違うので自然と違いも生じると思います。
(中山)
具体的にはどのようなことでしょうか。
(中島先生)
池袋は各学年3クラスで、新座は中学5クラス、高校7クラスにな ります。
生徒数が違うだけでなくグランドなど校地の広さや設備にも違いがあります。特にクラブ活動の面で影響が大きいと思います。クラブの数は新座の方が多くなるでしょう。
他には他大学受験についての対応に違いが生じるでしょう。


「立教のような人間教育をする学校からの東大入学」

(中山)
池袋の高校からは他大学の受験が難しくなるということですか。
(中島先生)
新座の高校では、東大などを狙う生徒や立教大学へ進めない生徒の指導が必要でした。
そのため他大学受験の実績やノウハウがあるので、最初から他大学を考えるというのであれば、新座の方がよいかもしれません。池袋からはまだ卒業生を出していませんからね(笑)。ただ、他大学を受験することも大いにあっていいと思いますよ。
17・18歳の頃は自分の進路についても哲学的に考える時期なので、いろいろな進路を考える中で他大学の受験も出てくるのも当然でしょう。
(中山)
どのような体制で他大学を志望する生徒に対応される予定ですか。
(中島先生)
受験クラスを作ったり、授業内で大学受験に向けた「傾向と対策」的な授業をやったりするつもりはありません。授業以外で予備校と連携して希望に応えることなどは考えています。
すべてキリスト教に基づく人間教育を基本にした展開の中で考えていきたいと思っています。実際、立教高校から東大に進学する生徒には、この人間教育を受けてきた立教小学校・中学校の出身者が多いのです。
(中山)
それはどのような点で人間教育と関係しているのでしょうか。
(中島先生)
小学校や中学校で入学してきた生徒のほうが許容量が大きいのかも しれませんが、 12年・9年と立教で教育を受けていくうちに、学歴社会の物差 しだけでなく、自分がやりたいことを追求するために「東大がいい」という学校選択をするということです。
私自身、受験勉強をしてきた経験や生徒を指導をしてきた経験から考えても、うちのような人間教育をする学校から東大に入るのがとてもいいんじゃないかなと思いますね。
池袋では、このように考えて進路指導、 いや人生指導を進めていきたいと思っています。


「基礎学習力を育てる」

(中山)
池袋で進められようとしているキリスト教に基づく人間教育ということ について、もう少し詳しくお話しください。
(中島先生)
教育現場では2つの目標を掲げて取り組んでいます。
1つは「テー マをもって真理を探求する力を育てる」、
もう1つは「共に生きる力を育てる」
というものです。多様な個性を身につけて、その個性を自己推薦できる能力をも った子どもたちに育て上げたいと思っています。
(中山)
そのためにどのような取り組みをされていますか。
(中島先生)
レポートや論文を書く機会を数多く設けようと考えています。文章をまとめ上げることは、豊かで的確な日本語を使う能力を伸ばしていく指導だと思います。また、ネイティブ教師の授業を採り入れて生きた英語を使う能力も伸 ばしていきます。この2つの言語に関する基礎学力を徹底的に鍛えます。
でも、 それだけでは意味がありません。この2つの学力を強化する課程で、自分自身で目標を立て手順を考え、実践していく力、立教で「基礎学習力」と呼んでいるも のですが、これを育てることに意味があると思っています。
(中山)
「基礎学習力」を重視するというお話は初めて伺います。どういう事で しょう?
(中島先生)
現在、大学では基礎学力が不足して困っているという話を聞きますが、基礎学力を伸ばそうとしても基礎学力はなかなか伸びるものじゃないと思います。だからこそ、立教では基礎学習力を育てたいと思うんです。
(中山)
最近の子どもたちはただ親の後をついていくだけ、自分で考え行動することできないといわれていますが、そういうことも基礎学力の不足になるのでし ょうか。
(中島先生)
そういうことも一つです。
(中山)
では、どのような指導で基礎学習力を育てていらっしゃるのでしょう。
(中島先生)
たとえば、塾などでは見事なマニュアルにそって指導がなされますよね。 生徒はただそれにそって考えていけばよい事も多いでしょう。
でも、基礎学習力をつける育てるためには、それではいけない。
子どもたちに興味や関心を持たせる授業にしなくてはなりません。
立教では各先生は努力をしています。授業内でも作業させる、作品を制作させることが多いのです。
他には、学習マナ ーというか、人間としてのマナーも身につけさせたいと思っています。学習マナ ーの悪い生徒には学習力など育ちにくいでしょうから。
(中山)
学習の場では、共通している大切なことだと思います。


「力をつけるために週5日制を採りたい」

(中山)
公立校では週5日制が導入されてから学力低下がさらに深刻になりまし た。
立教はずいぶん前から週5日制を導入されていますが、そのような問題はないのでしょうか。
(中島先生)
週5日制を採用してもう20年ほどになります。
以前は文部省ににらまれて、最近では塾ににらまれて(笑)いますよ。
時間を有効に使って教えるべきものを教えることは可能です。そして、週5日制のゆとりを生かせば、自分でテーマを見つけ自分で課題を展開するテーマ学習、まさしく「基礎学習力」を 身につけるよい教育目標にそった学習も可能ですからね。
「立教では力をつける ために週5日を採っている」
と言えるように、さらに指導の研究を進めているところですよ。
(中山)
その研究はどの程度まで進んでいるのですか。
(中島先生)
「総合学習」時間の中で、一人ずつに1年間テーマを決めて自主研究をさせようと計画しています。具体的には、高3では卒業論文を出させることだけは決めています。1年ずつ状況を見ながら進めて行くことになるでしょう。
特に先生方のアプローチのしかたは重要になるでしょう。生徒が質問に来たとき に、
「難しい質問だなあ。先生もわかんないや」(笑)
というような対応などができるならば、生徒もハッスルできるでしょう。質問にそのまま教えてばかりいたのでは頼ってしまってだめでしょうね。
(中山)
先生方も今が一番大変な時なんですね。
(中島先生)
授業の合間にたくさんの会議をして計画を立てています。教科指導の面だけでなく、生活指導や行事の面でもいろいろなアイデアが出てきますね。
みんな意欲的に、楽しんで、理想を述べて検討していますよ。


「まず全員を2科で判定し、その後に4科で判定する」

(中山)
最後に入試についてお聞きします。
2科・4科の受験での選抜方法はどのようになる予定ですか。
(中島先生)
いろいろな可能性を持った生徒に入学してがほしいと思います。
今のところ、全受験生から2科で70%の合格者を決め、30%は残りの4科受験生の中から合格者を決める予定です。
(中山)
試験科目や試験時間が変わります。問題はどのような方針で作られるのでしょうか。
(中島先生)
国語、算数は試験時間が短くなるので多少は基礎的な問題になるかなと思います。
傾向が大きく変わることはないでしょう。
社会、理科については現在検討中ですが、基礎的なことを中心に問いたいと思います。方針が決まった段階で模擬テスト問題を用意したり、出題の方針を知らせることも考えています。
(中山)
新しく社会、理科を出される学校は他校を意識されるのか、極端に難しいか、極端に易しいか、どちらかになることが多いのですが。
(中島先生)
問題に特色を出すのはなかなか難しいでしょう。
4、5年経てばだいたい同じような(笑)問題になってしまうんじゃないかな。
他校では時事的な問題を交えて特色を出そうとされているようですね。
あと、記述の問題は「疲れるから嫌だ」と評判悪いようですからね。
受験生が少ないと記述問題が多くてもいいんでしょうが、どうしても点数がはっきり分かる客観問題にしなくてはなら ないでしょう。
ただし、入学後はレポートなどで記述力を鍛えたいと思います。
(中山)
これぞ立教池袋中学という問題を期待しています。

以上
付記 
「一番たいへんな時期に校長になってしまった」とおしゃった言葉の通り、新しい学校づくりはとても大変なことだと思われる。しかし、中島校長は 新しい学校の姿を夢みて、むしろご苦労を楽しんでおられるように感じられた。上記には載せなかったが、立教大学との連携だけではなく、外部の専門学校との連携によって「テーマ学習」を深めることも考えているそうだ。他の教職員も新しい学校づくりに燃えている様子。
斬新な試みと伝統の人間教育がマッチした立教池袋の新しい教育が期待される。


ネイティブによる英語授業 ワークキャンプ新校舎完成図
 
 
学校案内
     住 所 〒171−0021 東京都豊島区西池袋3−34−1
  電 話 03(3985)2707
  U R L http://www.rikkyo.ne.jp/grp/ike/
  交 通 JR線/西武池袋線/東上線/丸ノ内線/有楽町線「池袋」徒歩10分 有楽町線「要町」徒歩5分
  施設・環境 中学・高校校舎(0999年9月竣工)、講堂、体育館、図書館、英語教室、理科教室(物理・化学・生物、階段)、社会科教室、視聴覚教室、音楽教室、美術教室、技術・家庭科教室、コンピュータ教室、総合教室(大・小)、グランド、テニスコート、多目的グランドなど
  生 活 3期制・週5日授業。カフェテリアにておにぎり、パン、飲み物などを販売
  クラス 中1〜高3、各学年3クラス編成(クラス替えあり)〔移行期は特別編成]、
高校の志望別等は現在検討中。
  授 業 中学では、英語について特別クラスを設けている。日本人、外国人のペアでの授業もあり、きめ細かい指導をしている。各学年とも選修教科(選択)があり、テーマをもった学習など自主学習に力点を置いている。高校の授業については現在検討中。
   
  99年大学合格 6年一貫生は2000年入学者から。立教高の卒業生の状況を参考に示す。        
立大(内部進学:335)
東大(3)早大(13)慶大(14)上智大(4)東工大(1)一橋大(2)東外大(1)東京理大(8)青学大(7)など
  98年大学合格 立大(内部進学:334)
東大(6)早大(18)慶大(18)上智大(5)一橋大(2)東外大(2)東京理大(10)青学大(4)など
  97年大学合格 立大(内部進学:349)
東大(1)早大(6)慶大(12)上智大(5)一橋大(1)東外大(1)東京理大(12)青学大(8)など
  指定校推薦枠 ICU(1)東京理大(1)青学大(3)学習院大(3)明学大(2)北里大(1)など
   
受験情報
     合格基準   日能研 60 四谷大塚 58 統一模試 69
*合格基準は上記よりかなり上昇する(2〜4)と思われる。
  平成12年入試 一般入試 2月2日 約70名(12月の帰国生入試と合わせ)
        国・算(100点)理・社(50点)2科・4科の選択
  問題の特色 [国語]
99年の出題は、小説文の読解、随筆文の読解2題、詩の鑑賞、漢字書き取りで5つの大問となっていた。従来から記述問題はないが、文章の量がとても多いのが特徴で、すばやく読むことができないと合格するのが難しい問題になっている。2000年入試から試験時間が10分だけ短縮されるがこの傾向には大きな変化はないと思われる。ただ文章の長さや問題の量は試験時間に応じて減るだろう。合格点の目安は60〜65%と思われる。
[算数]
従来から基本的な問題を数多く出題する学校で、99年もその傾向には変化が見られなかった。計算、数の性質、割合や速さに関する問題、平面図形、立体図形、2量の関係など、ほぼすべての分野から出題され、バランスのとれた力が必要である。2000年で入試でも基本的な傾向は変化がないと思われるが場合の数、規則性の発見などの考える問題が出されるかもしれない。合格点は65〜75%が目安になるだろう。
*理科、社会は2000年入試から実施。
  学費 入学金300.000円  授業料(年額)504.000円  維持資金(年額)250.000円   学校債・寄付金 なし   諸会費など合計48.000円
  現状と展望 2000年から、立教中学は立教池袋中学・高校に、立教高校は立教新座中学・高校に改組される。このうち立教池袋中学・高校は高校募集のない中高完全一貫体制になる。現在それに伴う新校舎の建設、教科指導や生活指導の内容の整備など、ハード、ソフト両面にわたる準備が進められている。
中学での募集が約150名から約70名と大幅に減少するために難化が必至である。従来から習熟度別の授業を採り入れるなど、併設大学への進学者が多い学校でありながら学力の向上に努めていた。1学年3クラスの少人数の学校になることで一層きめ細かい指導がなされるものと思われる。また、隣接する立教大学との授業面でのつながりが強まると思われ、今まで以上に独自の指導カリキュラムも期待される。
       

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