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大妻多摩中学                                                  校長先生に聞く!Topへ 
Interview! 1999年3月8日(月)訪問
聞く!
今回の訪問校は大妻多摩中学校。
大妻学院が新たに建設した大妻女子大多摩キャンパス内に、平成6年に開校され、現在その第1期生が高校3年生になろうとしている。
評価の高い教育方針、恵まれた教育環境や教育設備、交通の便などから、神奈川地区 を中心に人気が高い。今後、いわゆる「半付属校」の特徴を生かし、多様な方面で活躍 する卒業生を生み出すと期待されている。

学校長安川瑛子先生、教頭鈴木正武先生にインタビューを行った。

ほくしん教務統括 中山秋子



 
大妻多摩
 





安川校長












































鈴木教頭











































































































 
女性らしさを捨てなさい
(中山)
教育の上で安川先生が強くお進めになっていることについて、お話しく ください。
(安川先生)
校長は私で3人目になりますが、校長になるまで英語の授業を担当していました。下っ端(笑)の教師から校長になったため、生徒や保護者と近い関係を持てます。ですから生徒に対していろいろなことをはっきりと言うことにしています。
校長だからといって、あまり理想的なことだけを話しても、生徒には通じません。ある年の卒業式には「女性らしさを捨てよ」と言いました。
(中山)
それはショッキングなお言葉ですね。
大妻と言えば。伝統的に「良妻賢母」 を育てる学校というイメージを持っている方々も多いのですが、生徒や保護者の方々の反応はいかがでしたか。
(安川先生)
「大妻は良妻賢母をつくるところ」と考えられている方々には、受け入れがたい言葉だったかもしれませんが、今の世の中で「良妻賢母になれ」と言っても しかたがないでしょう。
確かに大妻学院がつくられた頃には、世の中に役立つ女性の理想の姿は、男を育てることができる良妻賢母でした。しかし、これからの世の中に役立つ女性とは、積極的に社会に出て「自分の実力で社会に貢献できる女性」です。
(中山)
実際には、保護者の方々はいかがでしたか?
(安川先生)
確かに過激な言葉すが(笑)、卒業生のお母様方がいらっしゃって「共感しました」と言ってくださいました。
そもそも、女性らしさとは、自分が意識して身に付 けるものではなく、後から自然と備わってくるものでしょう。それに、女子校という ところは、共学校と違って女性らしさを持たなくても生活できる場です(笑)。
(中山)
そう言えばそうですね(笑)
(安川先生)
だから、「あなたたちには女性らしさを要求しません。それよりも自分が輝くために役立つことを身につけなさい」ということを伝えたのです。
(中山)
同感です(笑)。


指導はサービスで、授業料はその代価である
(中山)
具体的な生徒指導では、まず進路指導についてお聞きします。
(安川先生)
「卒業したら隣にある大妻女子大に進むなんて思わないで、他大でもなんでもじゃんじゃん受けなさい」
と指導しています。おそらく内部進学で大妻女子大 に進む生徒は2割ほどになるでしょう。
(中山)
それはすごいですね。
(安川先生)
掛け声だけではしかたがないので、授業の充実を図っています。ポイントになるのは担当の教師です。大妻の場合、経営母体が大きく経済的に不安を抱くような教師はいません。しかし、それに満足して生徒指導が不充分になるようでは困 ります。生徒が支払う授業料は教科指導、生活指導というサービスに対するものだという認識を持ってもらうようにしています。そのせいか各教師が企画した補習計画がかち合い調整をしなければならないこともあるほどです。
(中山)
それはどのような状況なのでしょうか。
(鈴木先生)
計画的な補習というわけではないので担当教師がその都度、進路指導部に計画を提出します。教師は自分の時間に合わせて計画するので、同じ時間帯に、生徒が受けたいと希望する授業がかち合うことも多いのです。計画が出された段階で、進路指導部で時間調整をして実施するわけです。
(中山)
その他、大妻多摩独自のものがありますか。
(安川先生)
希望制の合宿ゼミや天体観測など学校に泊まり込んで行う特別の授業も行います。学校の設備を活かせば、貸し布団代と食費程度の費用で実施できますので、今後もどんどん実施していくことになるでしょう。
進学指導だけを重視すること は考えていません。また、それだけでは生徒に満足を与えることが出きません。
このようにいろいろな行事を設けることで、勉強以外の面でもいろいろな経験を積みながら満足感を与えられるよう努力しています。


品の良い生徒をつくりたい
(中山)
生活面の指導はどのようになっているのでしょうか。
(安川先生)
生活面の指導は特に重視しています。生徒には「社会に役立つには、まず経済力を備えることが必要だが、それに加えて、社会人としてのマナーも必要になる。この学校でそれを学んでほしい」と言っています。
例えば、茶髪などは許してい ません。
(中山)
では、生活面の指導は厳しいのですか。
(安川先生)
精神的には自由にしています。
でも、社会人として評価されるためには品の良さは重要です。この多摩の地域の人たちから評価してもらえるように、まず制服を美しく着こなせるようにさせたいと思います。
(中山)
違反をする生徒が出ることはありませんか。
(安川先生)
たま〜にいますよ。(笑)
でもそういう時は、一方的に禁止するのではなく、校長以下の各教師がきちんと話をして納得させた上で、改めさせるようにして います。
(中山)
生徒や保護者の方々からの反応はいかがですか。
(安川先生)
きちんと話をすれば理解できる生徒が入学してきているので、他の学校より苦労せずに指導できていると思います。
また、生活面の指導に関しては、ご家庭の理解と協力がなければできません。学校の方針や生徒の状況について、保護者会などの場を通じてお話するようにしています。
(中山)
どのようなお話しをなさるのですか。
(安川先生)
ある時、入学したての頃の中1の生徒に「そうじがきちんとできるのは大事なことよ」と言ったところ、「この学校に月謝払ってるから」と言われたことありました(苦笑)。とんでもない話ですが、この子を救うことが大切だと考え、その後指導しました。
保護者会の席でこの話を紹介し、「このようなことをお子さんが言 うことは恥ずかしいことだと思いませんか」とお話しました。大部分の保護者の方にはご理解いただけたと思います。


生徒の優れた面を見つける
(中山)
生徒指導の面でもう少しお話をうかがいます。
最近、いろいろな理由で学校になじめないで、不登校になる生徒が増えているという話を聞きますが、大妻多摩ではいかがでしょうか。
(安川先生)
不登校の問題が全くないとは言えません。そのような生徒を見つけた場合には、一方的に 「それはあなたの勘違い」というように決めつけてしまう対応が多いようですが、この学校は違います。まず、よく話を聞くよう努力しています。
その中で自分で解決の糸口を見つけていけるようにしたいと考えています。
(中山)
生徒がそのような状況にならないためには、どうすることが大切だと思われ ますか。
(安川先生)
生徒の話を聞くと、友だちの心ないことばや乱暴な言い方に傷ついたのが原因であることが多いようです。
友だち関係を含めて学校を好きにさせることが一番の解決や予防の方法でしょう。
生徒には、勉強、スポーツ、芸術の面、あるいはきちんと掃除ができるなど、優れた面が必ずあるものです。それを見つけて評価するこ とが生徒が自信を持つ、生徒が学校を好きになる、ために重要だと信じています。


4教科を勉強している生徒は指導で学力を伸ばしやすい
(中山)
大きな入試の変更点として、2月1日の入試を残されたことと2月4日の入試を4教科とされたことがあります。ともに進学校「大妻多摩」を示すねらいがあるものと思われますが、その目的についてお聞かせください。
(鈴木先生)
そのようなねらいを持って変更したと言われることはある意味で光栄です。
(安川先生)
私としては、今までも進学校だと言っていたのにもかかわらず、まだ十分に伝わっていないのかと、ちょっと残念(笑)ですね。
(鈴木先生)
1日に入試日を設けた理由からお話します。
本校を志望する生徒がすべて2日の受験を希望するとは限りません。1日に実施すれば、他のレベルの高い学校と比べた上で受験するわけですから、本当に大妻多摩中に来たい、と思う受験生が集 まるだろうと思いました。正直なところ受験生が大幅に減るのではないか、と不安でしたが、成績上位の生徒が例年より多く手続きしてくれました。
また、4日の4科入試 については入試日も遅く、また入学した生徒の大半が4科の勉強をしていましたので、科目を変更しても影響が少ないだろうと考えて実施しました。4科の勉強をしてきた生徒の方が指導する側から言えば楽です。
(中山)
学校側からしますと、4科生歓迎ということでしょうか。
(鈴木先生)
いえ、そういう意味ではありません。4教科を学習していることで学力を伸ばすことが容易になる場合がある、ということです。
今年の問題について言えば初年度ということもあり、教科書レベルから出題をしましたので、他校のように難しい受験勉強は必要なかったかと思います。
来年度については受験日、定員、入試科目など検討中ですが、現在のところ大きな変化はしない方向でいます。


理系希望者が3分の1を占める

(中山)
入試問題を拝見すると、国語の読解問題では科学や社会に関する、いわゆる 「かたい」文章の出題が目立ちます。
理系進学に力を入れている学校によく見られる傾向なのですが、そのような意図があるのでしょうか。
(安川先生)
そのような分析をして貰えるのはありがたいことですが、実際はそのように考えていたわけではありません。
(鈴木先生)
高校入試の問題を作成するメンバーが中学入試の問題も作成しているので、高校入試のイメージで問題を作成してきたのかもしれません。確かに、中学入学 の1・2期生になる、現在の高1・2は理科系志望者が約3分の1になっており、女子校としては多いほうだと考えます

以上
付記 
校長自らが「女性らしさを捨てよ」と、生徒に対して「過激」に考えを述べられるのは、これからの女性を育てていく指導に自信がある証拠であろう。入試データ を積極的に公表し、さらに学校案内に模擬テストの申込書まで添えるなど、従来の女子校のイメージを打ち破る学校となっている。これもスタッフの意識が他校と異なるところが多いからだろう。

校舎風景 理科授業 合唱祭
 
 
学校案内
     住 所 206-8540 東京都多摩市唐木田2−7−1
  電 話 042-372-9113
  U R L http://www.otsuma-tama.ed.jp/
  交 通 小田急多摩線「唐木田」7分
  施設・環境 キャンパス総面積10.2ha(大学と共用)、グランド3箇所、普通教室18、特別教室27(AV教室、LL教室、コンピュータ教室、物理教室、化学教室、生物教室、被服教室、食物教室、美術教室、音楽教室、図書室、体育室2、和室、その他)
  生 活 3期制、週6日授業。パン、牛乳など自販機あり。軽食販売(売店)あり。学食(大学と共用)利用可能
  クラス 各学年3学級、クラス替えは中2、高1、高2。1学級40〜45人。
  授 業 英語は全学年でネイティブスピーカーによる授業あり、中3〜高2の選択授業では1クラスを3分割した少人数制の授業もある。理科は全学年で実験や実習が多い。社会ではディベートを取り入れた授業もある。高2から進路に合わせた科目選択ができ、高3の授業の約40%は選択科目の授業になる。
   
  99年大学合格 (6年一貫の卒業生はまだいない
内部進学(43)上智大(1)青学大(5)中大(5)成蹊大(7)など
  98年大学合格 内部進学(36)早大(6)慶大(1)青学大(6)中大(11)津田塾大(2)など
  97年大学合格 内部進学(40)早大(6)慶大(2)上智大(1)東京学芸大(3)中大(8)東京女大(7)など
  指定校推薦枠 中大(4)成蹊大(3)東京電機大(2)東京経済大(2)東京工科大(1)共立女大(1)など
   
受験情報
     合格基準   2月1日(2教科) 日能研 56  四谷大塚 56  統一模試 61
2月2日(2教科) 日能研 56  四谷大塚 56  統一模試 61
2月4日(4教科) 日能研 57  四谷大塚 53  統一模試 59
  平成12年入試 2000年度も大きな変更はないと思われる
第1回 2月1日 50名 国・算(各100点)
第2回 2月2日 50名 国・算(各100点)
第3回 2月4日 20名 国・算(各100点)社・理(各50点)
  問題の特色 [国語]
長文の読解問題が2問題出される。問題1が論理的な文章になり、以前は科学や社会に関する難しい内容の読解問題が多かった。99年度は文化や人生などに関するものなど、やはり難しい内容のものになっている。しかし、設問は内容を完全に理解しなくても解けるので、文章が難しい、わかりにくいとうろたえなくてもよい。99年度も合格点は平均65%程度となり、例年通りかなり高かった。
[算数]
問題3から後が式や考え方を書かせる問題になっている。普段から練習しておかないと時間がかかってできる問題がやりきれないこともある。毎年、割合、速さ、図形などバランスよく出題されているので、全範囲を問題集などで勉強しておくこと。99年度の合格点は第1回・2回は平均55%程度だが第3回だけ難しかったようだ。
[社会]
地理が1問題、歴史が2問題、公民が1問題出された。教科書レベルの出題だが、統計資料や明治時代など、苦手にする受験生も あり、難しさのわりに差がついている。99年度は合格点が80%となったが、今年が初めての実施で今後の予想は難しい。
[理科]
物理、化学、生物、地学の4分野から1問題ずつの出題。浮力の問題、天体の運動の問題が出され、少し難しく感じた生徒もいたと思われる。99年度の合格点は60%だが、社会同様来年度以降の予測は難しい。
  学費 入学金250,000円  授業料(年額)471,000円   施設費280,000円   学校債/寄付金 なし  衛生費3,700円  後援会費15,600円   生徒会費6,000円   その他積立金などあり
  現状と展望 高校の募集を停止して、完全に中・高一貫教育の体制を整えた。
高校から入学した生徒には大妻女子大への希望者も多かったようだが、中学から入学した生徒はほとんどが他大学への進学を希望しているようだ。姉妹校である大妻中に比べて生徒数が少ないため、各種の施設が有効に利用でき、その効果も上がっている。また、生徒と教師のつながりが強くアットホームな雰囲気に溢れている。今後は、理系学部への進学者、国公立大への進学者が増えてくることが課題だが、数年のうちにはかなりの生徒を送り出すことができるようになるだろう。なお、受験生のレベルを考えると、第1志望の受験生は2月1日の試験を受験するのが良いだろう。
       

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