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城北中学校                                                         校長先生に聞く!Topへ 
Interview! 1999年5月13日(木)訪問
聞く!
今回の訪問は城北中学校。
城北中学・高校は、早稲田・慶応に合計200名以上を合格させ、難関私立大学に強い進学校として知られていた。また、近年では東大など難関国立大学にも多くの卒業生を送り出すようになっている。しかし、 レベルの高い進学校でありながらクラブ活動が盛んで全国レベルで活動しているクラブや生徒も見られる。
学校長加藤健治先生にインタビューした。

ほくしん教務統括 中山秋子

 
城北
 






加藤校長
























































































 
「質実厳正、創立当初からの教え」
(中山)
創立が昭和16年ですから太平洋戦争が始まった年ですね。そのような時代に私立学校をつくるのは難しかったと思いますが。
(加藤先生)
本当に大変だったと思いますね。世の中が国のために戦う軍人を育てることが第一だった時代に、創立者である深井鑑一郎は
「一市民を育てる。人間を創る」
という理念を曲げなかったのですから。
(中山)
創立者の深井先生とはどのような方たっだのですか。
(加藤先生)
儒学者です。ですから、儒学に基づいて「質実厳正」という考えを 基本に教育を進めました。それは「飾り気がなく、己に厳しく、他には公正に」 という考えで、他校で言われていた「質実剛健」とは違います。
当時の社会情勢では「質実剛健」を唱えることは歓迎されたでしょうがね。
(中山)
創立時の理念について、もう少し、くわしく説明してください。
(加藤先生)
規律正しい生活習慣や礼儀を重んじ、社会に有為なる人間になるために上級学校への進学を目指すことでした。だから城北は創立以来57年の間、ずっと進学校だったんですよ。


「早朝や放課後の補習は担当の教師が決める」
(中山)
進学校としての城北の特色はどのようなものですか。
(加藤先生)
伝統的に、成績が振るわない生徒に対するフォローが特色でしょう。
力のある生徒は放っていても伸びるでしょう。自分の力だけでは壁を乗り越えることができないでいる下位者を伸ばすことこそ大切だと考えてきました。「城北は早稲田に100人以上合格するのに東大が少ないのはなぜか」とよく(笑)言われましたが、生徒がよく努力した結果だと思いますし、そういう伝統を引き継ぎながら、もともと力のある生徒のチャレンジもここ数年目立っています。
(中山)
下位者へのフォローはどのように行われているのですか。
(加藤先生)
まず補習授業が数多く行われていることがあげられます。朝7時か ら夜の8時まで授業をはさんで補習がやられています。補習は担当の先生が計画したり生徒から希望が出たりと、いろいろな場合がありますね。
(中山)
校長先生や教頭先生の指示があるのですか。
(加藤先生)
いいえ、違います。
先生たちが自主的に実施しているものなんです。 担当の先生の判断で行われています。今日も10講座ほどの補習があるようです(笑)。担当の先生も大変でしょう。
また、高2や高3にもなると、学校を図書館代りに勉強する生徒も出てきます。朝早く来たり夜遅くまで残っていたりする生徒が多いですよ。ある先生は「門を開けてやるから」と朝5時ころに出勤していました。
校長の立場から言うと、朝早いのと夜遅いのはまずい(苦笑)のですが、大目に見ているというところですね。


「なんとなく早慶でいいやでは困る」
(中山)
すごいことですね。さぞかし先生方もたいへんなことでしょうね。
その他にも特別な対応があるのでしょうか。
(加藤先生)
他には、生徒の発達度合いに応じて、6年間を3つの時期に分けて対応していることでしょうか。以前は高校から入学する生徒が中心だったせいも あって、3年ずつ2つの時期に分けて指導していました。
そのころはそれでも良かったのですが、中学から入学してくる生徒が中心になってくると、それではうまくいかないことも出てきました。
(中山)
それはどのようなことでしょうか。
(加藤先生)
中1や中2の生徒に、将来の大学受験を考えて生活や勉強をさせることは無理でしょう。精神的にも体力的にもたいへん辛くなってしまいます。
しかし、高2や高3ともなれば大学受験を具体的に考えることができるし、自分から必要なことを求めることもできるでしょう。そのように考えて2年ずつ3期間に分けて、各時期に最もふさわしい教育をしようとしたわけです。その内容は要項などで見てほしいと思います。
(中山)
ここ数年東大の合格者が10名以上になっています。
別の取り組みもさ れていると思いますが。
(加藤先生)
東大など難関国立大学を目指す生徒を対象にした「難関4大学」コ ースというものを設けて指導しています。経済面での不安が続いているという社会情勢を反映して、国・公立大学を目指す生徒が増えてきました。そのニーズに応えるために設けたわけです。
今年の卒業生がその第1期生にあたりました。
(中山)
結果はどうでしたか。
(加藤先生)
正直なところ目覚しい結果というところまではいきません(苦笑) でしたね。ただ一定の成果はありました。そして、「東大に挑戦しよう」という生徒が増えたことには満足しています。
本校に限らず「早稲田、慶応でいいや」という生徒が多いのが事実で はないでしょうか?
目的を持って早慶を目指すのならいいのですが、大部分の生徒はそうではないんです。
情報を持たずに安易に受験校を決めないように、いろいろな場でそれぞれの学校の優れた点を伝えていきます。その上で目指す大学 を自分で決めてくれることを望んでいますから。


「生徒どうしで救い合うことが大切である」

(中山)
これだけの敷地があるといろいろなクラブ活動ができますね。
(加藤先生)
同好会を含めると70以上のクラブが活動しているでしょう。本校の場合、レベルの高いクラブが多いのが誇りですね。
(中山)
進学校としては珍しいですね。勉強の妨げにならないかという不安はないのでしょうか。
(加藤先生)
そのように思われる向きも多いでしょう。以前はスポーツも学業も優れていればスポーツ推薦で大学進学を狙うこともありました。しかし今はスポーツ推薦で大学を狙う生徒はほとんどいませんからね。
(中山)
それでもクラブ活動が盛んなわけは、何でしょう?
(加藤先生)
それは後輩が先輩の成功例を見ているからなんですよ。水泳やバス ケットで夏から秋の全国大会まで活動して、そこから本格的に受験勉強を始めて、結果として東大理Tや国立大学の医学部に現役で合格していますからね。そのような例を見れば、クラブ活動にも熱が入るでしょう。その分、顧問の先生は大変ですよね。特に体育系のクラブの場合、ほとんど毎日活動しているんですから。
(中山)
現役は9月からのがんばり次第で合格できるといういい例ですね。
(加藤先生)
クラブ活動の中で集中力を高めることができた結果、本人の力がとても良い状態で発揮できるのでしょう。クラブ活動に期待しているのはこれだけではありません。最近、いじめや不登校の問題が言われています。本校でもまったくないというわけではありませんが、全国平均よりずっと少ないと思います。 これもクラブ活動が盛んであることに関係があると思っています。
(中山)
それはどのような意味ですか。
(加藤先生)
どの学校でも、特に私学の場合、先生が協力して大きな問題になる前に見つける努力をされているでしょう。また、カウンセラーを置いてケアに努めていると思います。
本校でも学年全体で解決を図ったり、カウンセラーも相談を受けやすいように別棟に置いたりして対応しています。しかし、大人による働きかけには限界があると思います。生徒どうしで救い合える環境をつくることが大切でしょう。
自然とコミュニケーションの場がつくられ、自分の居場所を見つけることができる点で、クラブ活動は効果があると思います。
(中山)
クラブ活動が盛んに行われることについて、保護者の方の反応はいかがでしょうか。
(加藤先生)
理解いただけていると思います。
特にお父さんは積極的にすすめて下さるようですね。学力をつけるだけでは社会に出てからは不足だからと、自分の経験から判断されているようです。


「厳しくするとびっくりする生徒や母親が多い」
(中山)
進学校の授業というとかなり厳しい指導も行われるとと思いますが、生徒や保護者の反応はいかがですか。最近の公立小学校ではあまり厳しい指導はされてはいませんから、なかなかなじめない生徒もいるのではないでしょうか。
(加藤先生)
授業中に大きな声で、怒ったように話す先生がいると、生徒はびっ くりするようですよ。怒られたように思う生徒もいるようです。家に戻ってお母さんに報告することも多いようです。
びっくりしたお母さんから「城北ともあろうものが」とお叱りがくる(苦笑)こともあります。
(中山)
そのような時はどのように対応なさるのですか。
(加藤先生)
その先生の授業の様子を確認してから必要があれば指導します。しかし、私から見ると特に問題はないので実際に指導することはほとんどありませんね。先生の指導スタイルに生徒が慣れていないだけなんです。
ですから、1学期が終わるころには、みんな平気な様子です(笑)。
保護者の方も城北を信頼して お預けいただければと思いますね。

以上
付記 
システム重視の指導ではない、良い意味での「良い加減」の指導が城北では行わ れているようだ。加藤校長が繰り返された「担当の先生は大変だと思いますよ」という言葉の中には、教職員に対する信頼と大きな自信が感じられた。

城北の桜 授業風景 図書室
 
 
学校案内
     住 所 〒174-8711 東京都板橋区東新町2−28−1
  電 話 03(3956)3157
  U R L http://www.johoku.ac.jp/
  交 通 東上線「上板橋」10分・有楽町線「小竹向原」15分
  施設・環境 校地約40000u、校舎約30000u。校舎:普通教室(45)、特別ゼミ室(16)、特別教室(13)、CAI学習センター(2)、LL・視聴覚室(4)、進学センター、体育施設:アリーナ(2)、屋内温水プール、卓球場・トレーニングルーム(2)、武道館(柔道・剣道場)。その他:図書館、講堂、食堂、グラウンド、テニスコート、舗装コート。校外施設:城北大町山荘(長野県大町市)
  生 活 3期制・週6日授業。生徒用食堂あり
  クラス 中1・2は均等6クラス編成、中3では1クラス、高1では2クラスの選抜クラスを設ける。高2から高校入学生との混合編成となり、文理別のクラスとなる。高3では、文T・文U・理T・理Uの4コースに分かれたクラス編成をとり、生徒の志望に応じた学習体制になる。
  授 業 中・高6ヵ年を、『基礎期』(中1・中2)、『錬成期』(中3・高1)、『習熟期』(高2・高3)の3期に分け、生徒の発達の度合いに応じて、学習と生活の両面わたって最も適した指導ができるようにしている。
中1・中2で十分な基礎力を培い、中3からは高校の学習内容に入る。同時に英語・数学では習熟度別の分割授業を実施し理解の徹底を図る。『習熟期』ではコース制を導入し、それぞれのコースの特徴に応じた教科指導を行い、選択科目を大幅にとり入れている。全学年で夏・冬の講習会を実施。早朝・放課後の補習も盛ん。また高3では入試直前まで対策の講座を開設する。
   
  99年大学合格 東大(15)東工大(8)一橋大(13)京大(3)早大(112)慶大(83)上智大(35)明大(50)中大(43)など
  98年大学合格 東大(11)東工大(15)一橋大(11)京大(2)早大(125)慶大(98)上智大(44)明大(60)中大(55)など
  97年大学合格 東大(17)東工大(22)一橋大(13)京大(4)早大(109)慶大(95)上智大(47)明大(60)中大(78)など
  指定校推薦枠 早大(3)上智大(4)東京理大(2)明大(2)中大(5)学習院大(6)など
   
受験情報
     合格基準   第1回 日能研59 四谷大塚58 統一模試66
第2回 日能研58 四谷大塚59 統一模試66
  平成12年入試 第1回 2月2日 約200名 国・算(100点)理・社(50点)
第2回 2月4日 約 70名 国・算(100点)理・社(50点)
  問題の特色 [国語]
小説文と論理的な文章の2つの読解問題と漢字の書き取りが出題されている。読解問題は細かいところまできちんと読んでいるかを見る問いが多い。わかりやすい文章だからと、軽く読み進めてしまうと、問いに答える度に読みなおしをしなくてはならなくなる。一度、本文を読みとおしてから解くのが良い。99年の合格点は1回、2回とも65〜70%であった。
[算数]
99年の入試から計算問題がなくなりさらに難しくなった。合格点は1回、2回とも40%なので問題を選んで解くのが良い。図形の難問が多いので過去問や入試問題集で図形を中心に数多く練習して「慣れる」ことが大切である。
[社会]
地理、歴史、公民の3分野から出題され、時事問題も見られる。どの分野も基本知識が確実になるまで繰り返し問題練習をして、過去問で問題の形式になれると良い。また、漢字指定の問題もあるので基本用語は漢字練習をすることも必要。99年の合格点は1回、2回とも70〜75%であった。
[理科]
物理、化学、生物、地学の4分野からの出題で、物理、化学では計算やデータから結果を推測する問題が出される。知識問題を練習した後、過去問で出題の形に慣れておくと良い。99年の合格点は1回が65〜70%、2回が55〜60%になった。
  学費 入学金260.000円  授業料(年額)432.000円  施設費213.000円  学校債(1口)100.000円(2口以上)  寄付金 なし  PTA(入会金・年会費計)24.600円  生徒会(入会金・年会費計)4.700円  オリエンテーション費用30.000円
  現状と展望 本文中にもある通り、もともと早稲田、慶応を目指す生徒が多く、国立大学を目指す生徒が少ない学校だった。そのため、人気の高い進学校であったが、ほぼ同レベルとされる巣鴨などと比べると、地味な印象を与えていた。しかし、近年は社会情勢を反映して国立大学を目指す生徒が増えて、東大の合格者が2ケタになり入学者のレベルに応じた結果を出してきた。指導面の改革が進むとさらに進学実績の伸びが期待される。
       

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